第30回日本皮膚悪性腫瘍学会学術大会

会長挨拶

 日本皮膚悪性腫瘍学会は2014年7月に第30回大会を迎えます。歴史ある本学会の記念すべきこの大会を国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科が主催させていただけることはたいへん光栄なことであります。私は1985年に医師となり来年で29年目になりますが、そのほとんどを国立がんセンター(現国立がん研究センター中央病院)で過ごし、また自分自身ちょうど本学会の30年の歴史とともに歩んできたように思います。私は、数少ないdermatological oncologistとして、まさに本学会に育てていただいたという思いでおります。今回、学会長を仰せつかり、その責任の大きさに押しつぶされそうですが、一方で、日本皮膚悪性腫瘍学会にご恩返しのできる良い機会をいただくことができたと考えますと身の引き締まる思いとともに感謝の気持ちでいっぱいです。学会役員ならびに会員の皆様に心より御礼を申し上げます。
 本学会は創設以来、わが国の皮膚悪性腫瘍診療の進歩に大きな貢献をしてまいりました。不治の病といわれた悪性黒色腫をはじめ多くの皮膚がんについての情報はとても少なく、正しいものはまたその中の一部であるという時代から一歩一歩の積み重ねがあり、わが国においても今まさにとうとう悪性黒色腫治療の革命的と言ってよいほどの驚くべき変化が起ころうとしています。国立がん研究センター中央病院は創立以来、皮膚悪性腫瘍の中でも特に悪性黒色腫の専門施設として診療を行ってまいりました。第30回大会では当施設の持つこの特徴と近未来に訪れる大きな変化を念頭に「悪性黒色腫」に焦点を合わせたプログラム編成を考えております。
 まず、例年5月末から6月初めにかけて開かれる米国臨床腫瘍学会(ASCO)で明らかにされる2014年の最も新しいトピックスをいち早く取り入れるため、本学会開催時期を2014年7月初旬としました。おそらく今後は何年間にもわたって、毎年のように悪性黒色腫に対する新治療が生まれていくことでしょう。この世界の流れにもう遅れるわけにはいきません。ASCOの最新知見を紹介するセッションを作ります。
 悪性黒色腫の治療は今まで、手術治療に重点がおかれてきました。ところが薬物治療の急激な変化、特にimmuno checkpoint inhibitorによる免疫療法の進歩やdriving geneによる治療の個別化によって専門医に必要な知識と技術は格段に多くなっていくことが予想できます。このため、悪性黒色腫に対する外科的治療と内科的治療のそれぞれに重点をおいた2つのシンポジウムを企画いたしました。
 私は、大御所、重鎮、スペシャリストの先生方の講演だけでなく、たまには次の次の世代あたりを担ってくれる若い情熱を持った先生方に、普段感じていること、考えていることを自分の言葉で発表する場を設けたいと思っておりました。「超若手によるワークショップ」において、演者の先生を公募いたします。どうか忌憚のない意見を大きな声で発信してください。
 私のぜひ行ってみたい企画の中に「アンサーパッド」を使った会場アンケート形式のセミナーがあります。皮膚がん治療はもちろん、最近の他科での分子標的薬投与時に起こる皮膚科領域の副作用に関する対策などいくつかのテーマに対して、会場でのライブデータをその場で柔軟に解析し、討論するセッションを準備しております。
 国際学会に出かけますと、海外の第一線で活躍中の日本人研究者に大いに刺激をうけることがあります。今回はこのような先生方を基礎的分野と臨床的分野からお一人ずつお招きし、ご講演をお願いいたしました。興味深いお話が聞けるものと思います。
 私は悪性黒色腫の治療が新時代を迎えるこのときに、現場で実際の診療に携ることができてとても幸せに、またとてもうれしく思っています。そして悪性黒色腫以外の皮膚悪性腫瘍についても新たな時代が必ずやってくるものと信じております。
 30年の時を経て皮膚悪性腫瘍の世界は大きな変革の時を迎えています。2014年が本学会にとりまして新たな飛躍の年となりますよう国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科一同、精一杯準備をいたします。会員の皆様、一緒に新しい時代の扉を開きましょう。多くの先生方のお越しをお待ち申し上げております。

第30回日本皮膚悪性腫瘍学会学術大会
会長 山﨑 直也

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